9月の言葉
 
 

一つの中に無量を解り
無量の中に一つを解る
心の生むもの実なく
知恵あるひとに畏れなし

 
 
華厳経如来名号品より
 
 

「色即是空 空即是色」という般若心経の有名な言葉が有る。この意味は色(様々な現象)には実体がなく、実体がないから様々な現象を描き出す事が出来る。と言う意味です。
例えば種々な形の積み木を組み合わせて家を造るとしよう。出来上がった家は喩え立派であっても所詮積み木には違いが無く何時までも同じ姿を保つことが出来ず、強い力が加わると、忽ち元の積み木の山に返ってしまう。その代わり積み木は自動車でも橋でも何でも造り出すことが出来る。
お釈迦様は「私たち凡夫はこの積み木の家を見て家を欲しがり、積み木の車を見て憧れ、積み木の電化製品を見て欲望を募らせているようなもので、所詮その憧れは幻でしかない。その幻に心を惑わされる事が苦であり、その苦から様々な不幸を招き入れている。」と教えて下さっている。
「一つの中に無量を知る」とは「私たちの欲望や執着、憎しみ怒りという感情が様々な姿、現象を生み出している。自分の目前に有るものはこの自分の感情を姿にしたものであり、その感情の表れに執着して成らないと自覚する事。「無量の中に一つを知る」とは全ての現象はただの積み木に他ない。と知り欲望を掻き立てない事。
このような知恵を持って社会を見、人生を歩む人は恐怖や不幸が襲って来ても決して恐れる事が無い。との教えです。