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9月の言葉

 
 


宝物の中で人命が第一である
人は命の為に財を求めるので
財の為に命を求めるのではない
 

 
 

大智度論より

 
 

<解説>

     近年私たちには理解できない事件が多発している。と云うのは折角有名大学に入学したのに、一流企業に入社しているのに、最も安定した公務員に採用されているのに、一時の欲望のために明るい未来を台無しにしている若者が急増してきた。確かに凡人は目先のことに執着し、自分の将来を振り返る余裕をなくしがちではあるが、それにしても将来有望な人生を態々ぶち壊しているようで嘆かわしい。
     そこで大智度論と云う書物の中に収められている物語を紹介し、人生の指針に供したい。
     信仰の篤い商人が海に入って莫大な財産を引き上げ、いざ帰郷せんと出航せんとした時、その船が突然難破して沈み、財宝は悉く海の底に沈んで失ってしまった。しかし、幸いなことに乗組員は全員無事に岸にたどり着くことができた。
     これを見ていた人たちは「それ見よ、欲をかきすぎるからだ」とか「海の神様のバチが当たったのだ」と言い立て、笑い者にしたが、商人は「全ての財宝を失ったが、御仏のお陰で一番大切な人命を失わずに済んだ。有難い。命さえあれば宝はまた求めれば良いのだから。」と言って喜んだ、と云う物語が記されている。
     この商人のように、人生にとって何が一番尊く、何を得るために苦労努力するのかを常に見失なわないようにしたいものである。

 
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